わきが・多汗症

汗やニオイの原因

エクリン汗腺とアポクリン汗腺

わきの皮膚の下には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2つの汗腺と「皮脂腺」があります。「わきが」独特のにおいは、この2つの汗腺から分泌させる汗と皮脂腺からの油が混ざり、皮膚の常在菌によって分解されることで生じます。
「エクリン汗腺」や「アポクリン汗腺」は誰にでもあります。アポクリン汗腺からの量が多い人や汗腺が大きい人がより強いニオイを生じさせます。
わきがは遺伝に伴う場合が多く、耳垢が湿っている人の80%にわきががあるとされています。また耳孔や乳輪、陰部のニオイを伴うこともあります。わきが治療は、ニオイの原因となる「アポクリン汗腺」を除去・破壊することで「わきが」の治療を行います。わきがの他、すそわきが(陰部わきが)、ちちが(乳輪わきが)の治療も行っています。

わきが(腋臭症)とは

わきがはアポクリン腺から分泌される汗が皮膚の常在菌の働きや皮脂と混ざり、特有のニオイを発してしまう状態です。「腋臭症」とも呼ばれています。 日本人では約5〜10%程度がわきが体質といわれており、体質的な要因が関与しています。一つ一つのアポクリン汗腺が遺伝や体質により大きくなっているとされています。 アポクリン汗腺は、わきの他に乳輪周囲や陰部に存在しています。 わきがの特有のニオイは、酸っぱいニオイ、雑巾のニオイ、鉛筆の芯のニオイ、玉ねぎのニオイなどと表現されます。 またアポクリン汗腺の成分であるリポフスチンが、下着や洋服の黄ばみの原因になります。
わきがの症状は、特有なニオイです。ニオイの他に汗自体が多い場合は多汗症になりますが、わきがと多汗症が併発している方も多くいらっしゃいます。 わきが・多汗症の治療は、このような汗の原因となる汗腺を手術やVU Coolやビューホットによる機器により治療を行います。

多汗症とは

エクリン汗腺から必要以上の汗が分泌されるのが「多汗症」です。
多汗症は暑さや緊張などによりエクリン汗腺に関係している交感神経が必要以上に活動してしまうので原因です。多汗症は「わき」だけでなく、手の平や足の裏、頭皮や額から汗が増加する症状も見られます。

多汗症の治療は、ビューホットによる高周波治療、わきや手・足など汗の多い各部位への発汗抑制注射または医療用制汗剤による塗り薬、わきの多汗症では手術による治療法があります。

すそわきが・ちちが

すそわきが(陰部)、ちちが(乳輪)の治療も行っています。
ニオイや汗の原因となるアポクリン汗腺とエクリン汗腺は、それぞれ異なる深さに位置しています。特にすそわきがではアポクリン汗腺が深いため、類似の他のわきが治療機器ではこの深さまで十分な治療を行うことはできません。浅い所から深い所の汗腺に順、陰部や乳輪周囲のニオイや汗の原因となる汗腺を破壊していきます。肛門周囲の治療も可能です。男性のすそわきが治療も行っています。

機器によるわきが・多汗症治療

機器によるわきが・多汗症治療

当クリニックは開院より、多くのわきが・多汗症治療を行っています。
わきが・多汗症によるニオイや汗の症状は、汗腺の大きさ、性別・体格などによっても一人ひとり異なります。機器によるフラクショナルRF(高周波)の「ビューホット」や超音波治療を加えた「VU Cool」を行っています。
RFや超音波の熱エネルギーにより、わきがの原因となるアポクリン汗腺や多汗症の原因となるエクリン汗腺を熱変性・破壊することで、ニオイや汗を改善します。

VU Cool

ビューホットで使用する照射針の深度は0.1mm単位で微調節が可能。そのため4~6段階に深度を変えて各深度で適切な出力に調整できます。それによってエクリン腺・アポクリン腺に狙いを定めて照射することが可能となりました。また水平方向に照射漏れが少なく、効果の高めた治療法です。
当院では、さらに超音波を使用し、エクリン腺やアポクリン腺などを破壊していく治療の併用して行っています。ビューホット(高周波)と超音波のそれぞれのメリットを活かし組み合わせ治療「VU Cool(ビュークール)」行っています。

ビューホット

ビューホットは、わきの皮膚にあるわきがの原因となる「アポクリン汗腺」や多汗症の原因となる「エクリン汗腺」にRF(高周波)を照射し、その熱エネルギーが汗腺を熱変性させることで、においや汗を改善させる治療です。

RF(高周波)は、ビューホットの先端にある照射針を皮膚に刺入して照射していきます。照射針の深さは0.1mm単位で調節が可能で、深さによって照射エネルギーの調節も行います。よって他の組織にダメージを与えることなく、正確に、選択的に、安全に汗腺だけを熱変性させて除去していきます。

ビューホットは初め皮膚の1mmの深さから順次、4~5層に分けてRF(高周波)を照射していきます。浅めの層では主にエクリン汗腺の除去を行い、深めの層ではより高いエネルギーでアポクリン汗腺の除去を行います。

ビューホットと同じような高周波やマイクロ波を利用した従来のわきが・多汗症治療機器がありますが、従来の機器は下方に単純照射されるため、熱エネルギーも下方に進んでいきます。
単焦点であるため、たとえ照射部位や深さを変えたとしても、まんべんなく照射するにはどうしても重ね打ちの部分が生じてしまいます。
この重ね打ちが皮膚や組織の過剰な熱変性を引き起こし、やけどや色素沈着が長引くなどの副作用を生じていました。また同時に照射もれが発生し、汗腺を除去しきれずにおいが残ったり、2回目の治療が必要になったりすることがありました。

ビューホットは、高周波が水平方向に広がる特殊な構造(フラクショナルニードルRF)を持つため、熱エネルギーも水平方向に広がっていきます。そのため重ね打ちがなくなることで、 よりまんべんなく、均一な照射による汗腺の除去が可能です。さらに特殊なクーリングプレートにより、皮膚表面を保護しつつ、選択的にエクリン汗腺とアポクリン汗腺の除去を行います。

治療の比較

機器による治療の流れ

料金表

VU Cool わき 396,000円
ちちが(乳輪周囲) 220,000円
すそわきが(陰部) 440,000円
すそわきが(Oライン) +55,000円
ビュー
ホット
わき 330,000円
手の平 330,000円
足の裏 330,000円
背中 363,000円
ちちが(乳輪周囲) 187,000円
すそわきが(陰部) 385,000円
すそわきが(Oライン) +55,000円
ウルセラ
クール
わき 330,000円
ちちが(乳輪周囲) 187,000円
すそわきが(陰部) 385,000円
すそわきが(Oライン) +55,000円

▼VU Cool・ビューホット・ウルセラクール 
2回目以降は割引料金で受けられます。

  • ※表示価格は税込価格です。

Q&A

わきが(腋臭症)の有病率にはどのような特徴がありますか。
日本人の10%程度がわきが(腋臭症)と考えられています。
人種差として、アジア圏のモンゴロイドは日本と同程度の有病率ですが欧米やアフリカ起源の人種では90%超え、世界的にはわきが体質の人種の方が多いなっています。
アポクリン汗腺が多いとニオイが強くなりますか。
アポクリン汗腺の量が多かったり、汗腺の粒の大きさが大きいとニオイが強くなります。
わきがは遺伝しますか。
わきがは、家族性があり、優性遺伝する場合が多いです。
また湿った耳垢タイプの決定遺伝子は16番染色体のABCC11遺伝子配列の1塩基の変異であることも報告されています。
わきがはニオイの他に特徴はありますか。
ニオイの他に、湿った耳垢、腋毛が多い、衣類が黄ばみやすい、多汗症も合併、乳輪や陰部も臭うことがあるなどがあります。
アポクリン汗腺は耳、乳輪、陰部にも分布しています。
ニオイは成長によって変化しますか。
ニオイは成長によって変化します。二次性徴や思春期に始まり、20代にピークがあります。
また女性では、月経前や月経時にニオイが強くなります。
わきがの検査はありますか。
わきに5分間ガーゼをはさみ、医療者がニオイを確認するガーゼテスト法が推奨されています。
当院でもニオイを複数人での確認を行っています。 その他にはアポクリン汗腺負荷試験や試験切開法があります。(当院では行っていません。)
ニオイの強さの評価はありますか。
グレード評価法はありますが、ニオイを確認する医療者の主観的な判断になるため客観性や定量性に乏しくなります。
StageⅠ:まったく臭わない~StageⅤ:電車などで人を挟んでいてもわかる
わきがに消毒は有効ですか。
ニオイには細菌も関係しているため消毒は有効ですが、継続的に使用する必要があります。
しかし消毒は、継続によりかぶれや皮膚の炎症を引き起こす可能性があります。
日常ではどのようなことに気をつけたらよいですか。
赤み肉を多く摂取している場合は、控えるとニオイが軽減する可能性があります。
入浴やわきを清潔を保つことでニオイは軽減します。
ストレスにより汗の量が増えるためストレスを解消することはニオイの減少のつながります。
医療脱毛ではニオイの原因であるアポクリン汗腺を破壊することはできないので、わきがの治療にはなりません。
わきの脱毛でニオイは改善しますか。
わきの剃毛・脱毛によりニオイは軽減します。腋毛による汗のたまりや拡散が減ることでニオイが減ります。
入浴やわきを清潔を保つことでニオイは軽減します。
ストレスにより汗の量が増えるためストレスを解消することはニオイの減少のつながります。
ニオイにボトックスは効果がありますか。
ボトックスは抗コリン性のため、ノルアドレナリン作動性のアポクリン汗腺に効果はありません。
しかし、汗の量が減ることでニオイの軽減は期待できます。
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